中学受験における「偏差値50」とは?

偏差値
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皆さま、こんにちは。
今日は中学受験における「偏差値50」について何となく考えてみました。偏差値50の一般的なイメージは”ごくごく普通”というものだと思いますし、私の理解も同じですがどうなんでしょうか。

中学受験の事をあまり知らない私が辿り着いた「中学受験における偏差値50の意味」は、その受けたテストや模擬試験の種類よって様々な意味がある、というものです。

答えになってないじゃないか!!!というお叱りの声が聞こえてきそうですが、私がこの結論に至った経緯について少しずつご説明をさせて頂きます。

まずは偏差値とは何か?から。

偏差値とは「平均点を偏差値50」として「ある特定の集団の中での平均点からどの程度離れているのか」を数値化して分かりやすくしたもの

偏差値とはある特定の集団、例えば「Aテストを受けた集団の中での順位」「Bテストを受けた集団の中での順位」(※Aテストを受けた集団とBテストを受けた集団は全く別の集団)を平均点を取った者を偏差値50として数値化したものである、というのが私の認識です。極端にいえば、100点満点のテストで90点を取ったとしても、平均点が95点であれば偏差値は50以下となります。他方、100点満点のテストで10点だったとしても平均点が5点であれば偏差値は50以上となります。

また、その集団ごとに偏差値は算出されますので、Aテストを受けた際の偏差値とBテストを受けた際の偏差値などの異なる集団内における偏差値を比べてもあまり意味はないと思います。同じまでとはいかなくてもある程度安定した(顔ぶれが安定している)母集団の中での偏差値でなければ客観的に比較することは難しいでしょう。

ちなみに、偏差値と順位の相関関係は↓な感じになります。

偏差値だいたい上位から何%に入っているのかだいたい何人に1人の成績なのか
750.62%161.29人に1人
702.28%43.85人に1人
656.68%14.97人に1人
6015.87%6.3人に1人
5530.85%3.24人に1人
5050.00%2人に1人
4569.15%1.44人に1人
4084.13%1.18人に1人
3593.32%1.07人に1人
3097.72%1.02人に1人
2599.38%1.006人に1人
偏差値と上位何%に入っているのかの関係

Aテストの方が学力が高い子が多くBテストの方が学力の低い子が多い場合などは、Aテストの方が高い偏差値を取ることは相対的に難しくなります。逆に、Bテストでは高い偏差値が出ることが多くなるでしょう。テストの平均点と得点のバラつきが偏差値に大きな影響を与えます。
難しい言い方をすれば、偏差値とはあくまで相対的な指標であり、異なる集団において比較することの出来る指標ではありません。

しかし、母集団の異なるテストでの偏差値に一喜一憂している方が多くみられるような気がします。

また極端な例ですが、ある模試のテストの点数が10点だとしてもそのテストの平均点が1点の場合にはとんでもない高偏差値をたたき出すかもしれません。あくまで他のテスト受験者と比べて自分のテストの点数がどうであるのかが重要な要素であり、テストの点数が悪くても偏差値が高いことは珍しくありません。もちろんより高い点数を取得したほうが偏差値が高くなるのは間違いはないですが。。

なぜこのお話をさせて頂いたかと言うと、よく

  • 「この前のテストより点数が下がっている」
  • 「○○塾のテストでは点数が良かったのに□□塾のテストでは点数が良くない」

などというお話やらブログやらを目にしますが、私は心の中で「それはちょっと違うんじゃないかな~」と思っています。あくまで心の中だけでですが。。。
同じ塾の異なるテストでも他の塾のテストでも同様ですが、別々のテストの点数だけで比較しても得られるものは少ないのではないかと私は思っています。

偏差値の一番分かりやすい使い方は「同じ集団内における時系列での偏差値の比較」ではないでしょうか。塾内でのテスト然り、定期的に受けている模試然り。このような同じ集団が受けていると仮定できるテストにおける過去と現在の偏差値の比較こそ学力の上昇(or下降)を確認する最適な方法なのではないでしょうか。

中学受験における偏差値を算出するうえでとても重要な「中学受験を検討している母集団」

ネットなどで中学受験を行う割合を調べたところ、地域差はあるようですが(しかも東京などの都心部と地方ではかなりの差があるようです)おおむね10人に1人程度のようです。この数字が多いのか少ないのかは私には良く分かりませんが、都心部と地方の中学受験に関する地域差は「なるほど」と腑に落ちました。東京の知り合いからは「中学から私立」という声をよく聞きます。他方、地方の友人からは「高校から考えればよいんじゃない」という声をよく聞きます。

このような中学受験の地域差があるのであれば、東京と地方を比較して最終的な学力の差が生まれているのかどうかなどのデータがあれば中学受験をすべきかどうかの判断の一助になると思うのですが、ちょっと時間がある時にでも調べてみようと思います。思いつきよりもやっぱりデータですからね。学歴が全てでは無いですが、我が子には可能な限り様々な選択肢を提示してあげたいと思っているので。

ちょっと話がずれましたが、中学受験を行う大体の割合は10%。もしこの10%の小学6年生が全て同じテストを受けたとしたら、その母集団は「中学受験を考えていて塾に通うか否かに関わらず中学受験の為の準備をしている小学6年生」という事になります。つまり「中学受験のため多かれ少なかれ勉強をしており学力が高いと思われる小学6年生」が母集団となりますので、テストの偏差値は学力が高いと思われる小学6年生の中でのものと考えられます。統計的に10人に1人というなかでの偏差値となりますので、10人中10人が受けるテストでの偏差値よりも低くなる傾向があるのではないでしょうか。

「全国統一小学生テスト」のような全国規模でのテストの偏差値50と塾のテストの偏差値50は全く別もの

全国統一小学生テストは希望をすれば近隣の塾などで無料で受験をすることが出来るそうです。つまり母集団がより広くなる可能性があるテストと考えて良いでしょう。なので、こちらのテストの偏差値の方が塾などのテストの偏差値よりもより全国の同学年の小学生の中での順位を表すのに適しているのではないでしょうか。塾のテストの偏差値はその塾内での順位を表しているので、塾のレベルが高ければ高いほど、自分の偏差値をあげることは難しくなります。場合にひょっては塾では偏差値50以下だけど全国規模のテストでは偏差値60を超えるなんてことも普通に考えられます。

中学受験向けの塾はたくさんありますが、塾によって「○○中学の合格可能性80%偏差値は●●」「□□中学の合格可能性80%偏差値は■■」など想定している偏差値は結構バラつきがあると思いますが、これは母集団が異なることによって生じるごく普通の現象です。「通っている塾の偏差値では合格可能性があるけれども、他の塾の偏差値をみたらちょっと厳しいかも!?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、全く気にする必要はございません。通われている塾の偏差値で判断をされれば大丈夫だと思います。

考察の結果、「偏差値50とは?」を一言で言い表すと…

中学受験をするお子様の割合が10%程度であるというデータから考察すると、大なり小なり勉強をしていると思われますので、その中での偏差値50はそれなりにレベルが高いと思われます。

ですが、やはりどの母集団の中で受けたテストであるのかがとても重要で全国の小学生のほとんどが受けるようなテストであれば偏差値50は全国の平均を表していますし、他方、より中学受験に力を入れている塾のテストでの偏差値50であれば恐らく全国平均よりもかなり良い位置にいると思われます。

ちょっと中途半端な結論になってしまいまして、、、大変申し訳ございません。

最後までお読み頂きましてありがとうございました。

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